日本のオンラインショッピングモールの歴史を振り返ると、1990年代に三井物産が運営した「キュリオシティ」が事実上の初めての大規模なショッピングモールとして登場しました。当時はインターネットがまだ一般的ではなく、怪しいものと見られていた時代でしたが、三井物産はインターネットの将来性に着目し、このプロジェクトを立ち上げました。
キュリオシティは、美容・健康・ダイエットから全国の名産品、スポーツ用品、DVDなど、幅広いカテゴリーを取り扱っていました。現在の基準から見ると、デザインは簡素なものでしたが、当時としては画期的な試みだったと言えます。
もう一つの初期のショッピングモールとして、「一品ドットコム」が挙げられます。こちらは、独立した商店主たちが集まり、インターネット上で実験的に電子商取引を始めるための場として機能していました。一品ドットコムを運営していた森本氏は、日本のインターネット通販のパイオニア的存在であり、多くの人々に影響を与えました。
一品ドットコムには、大阪の心斎橋にある傘屋の「心斎橋宮武」やアメリカ雑貨で有名な「イージー」など、現在でも知られる店舗が参加していました。これらの初期のオンラインショッピングモールは、現在は存在していませんが、日本のeコマース発展の礎を築いたと言えるでしょう。
インターネットの普及とともに、オンラインショッピングモールは大きな進化を遂げることになります。次回は、楽天市場やYahoo!ショッピングの登場と、後発でありながら大きなインパクトを与えたAmazonの参入について見ていきたいと思います。